Yusuke S

Yusuke S

麻婆豆腐

麻婆豆腐

自分を取り巻く環境をリフレッシュしている。 手始めに転職し、新しい知識を身につけようと今は調べ物中心の毎日だ。 今年はひどく暑いこともあって、以前に比べ外食よりも家で作ることが増えた。その繰り返しの中で自分なりのレシピがアップデートされていくのだが、それでも進化が止まり、固定化されそうなものがいくつかある。 麻婆豆腐はその一つだ。 自分のレシピで特徴的な具材は干し椎茸と韓国唐辛子だろうか。 鍋に油を入れ、煙が出るまで熱したところに荒微塵にした肉を入れる。豚か牛かはそのときどき。ぱらつく程度まで火が通ったら生姜、ニンニク、葱、戻した干し椎茸を微塵切りにしたものを加え、豆豉と韓国唐辛子を投入してさらに炒め、豆板醤、甜麺醤でいったん味を整える。 ここまでを多めの量で作っておき、肉味噌として取り置くと他の様々な料理に応用できる。レタス巻き、粥やチャーハンの具、黒酢で伸ばしてあんにするのも良いだろう。 話を麻婆豆腐に戻すと、先ほどの肉味噌に鶏がらスープの顆粒と干し椎茸の戻し汁を加えて少し伸ばし、豆腐を入れた後に水溶き片栗粉を加えてとろみをつける。あとは強火で熱してごま油を回
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新年

新年

年が明け、ずっと気になっていた香川の「あんもち雑煮」なるものを食べる機会に恵まれた。いりこだしに白味噌、金時人参と大根、そしてあんの入った丸餅。どのような味がするのか興味津々だったが、食べてみればいろいろとバランスのとれた美味しい一碗だった。四万十川の青のりを入れるのも旨いと聞くので次回は自分でも作ってみたい。 さて、気になっていたもう一つの事柄は放置気味だったこのブログのサーバで、空いた時間を使ってえいやと更新することにした。今はGoogleのクラウドで手軽にこういったシステム関連の作業が行えるようになり、利用者としてはかなり有難い。仮想コンテナも利用できるもののソフトウェアを頻繁に更新するわけでもないので、ベーシックなスタイルであるCompute Engineを選び、直接サーバ内にて構築作業を行う。構成としてはマイクロインスタンスという、無料で使える一番小さなものだ。 新年早々MeltdownやSpectreといった脆弱性が発表されたのでカーネルモジュールも含め、まずはシステム関連ソフトウェアのアップデートを行う。他のVMからの攻撃はすでにGCPにて対策が施されているし、サイ
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フヅクエ(fuzkue)
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フヅクエ(fuzkue)

音楽を聞かないなんてカッコ悪いから音楽を好きじゃなきゃいけない。 そういう呪縛から解き放たれ、音楽はそれほど好きでも、嫌いでもないものになった。 肌身離さずヘッドホンを持ち歩き、中古レコード屋に行っては盤を掘り漁るのが好きだったのに。最後に買ったレコードはなんだったろう。もう音源を新しく買い求めることもなく、Spotifyさえあれば十分という体たらく。 逆に関心を持つようになったのは静寂だ。 ただし、静寂というのは自分にとって無音ということでもないようだ。そもそも完全に無音の状態を作るのは難しい。なぜなら無音とは空気の振動をゼロにすること。無音室などに入ることでそれを実現できたとしても今度は耳の奥の内耳神経が体内の音をキャッチしてしまい、そこに無音を見出すことはできないだろう。 ジョン・ケージの「4分33秒」という曲がある。演奏の際には楽器を使い、きちんと奏者も出てくるのだが、音をまったく鳴らさず、例えばピアノの場合は奏者は椅子に掛けてただひたすらに楽譜を見つめ、しかるべき時間が経過すると一礼をして立ち去る。つまり、観客は音の鳴らないその場を「聴く」という趣向のもので、
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伊勢藤
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伊勢藤

店の中はいたって静かだ。鉤型の卓に囲まれた一辺二尺ほどの囲炉裏の前で、作務衣姿の三代目が正座しながら掌で徳利の温度を確かめ、燗をつけている。仄暗い中、囲炉裏では赤々とした炭火が自在鉤に吊るされた鉄瓶を熱している。 神楽坂は毘沙門天にほど近いここ伊勢藤の店内、見渡せば日本家屋そのもので通りに面した窓は障子になっており、時たま外を通りがかる人々の声が聞こえてくる。隅に暗がりが出来る程度の照明が空間に広がりを持たせていて窮屈には感じない。柱は漆か柿渋か、経年により黒く鈍い光を蓄えており判然としないが、屋内の落ち着いた印象に一役買っている。 店主の横には腰の高さほどある大きな薦被りの四斗樽が置かれている。白鷹の黒松だ。ここでは飲み物といえば日本酒、しかも白鷹のみで、これを飲まないと水すら出てこないことになっている。強いて選択肢があると言うならば、それは冷やか燗の二択。冷やとは言えどきりりと冷えているわけではなく常温のもの、燗の温度についてならある程度希望を聞いてくれる。 席を指定され、麻葉紋の紺座布団を載せた丸太切り落としの簡素な椅子に腰掛けた。「燗でよろしいですか」と問われ頷くと
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四代目、X100F
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四代目、X100F

気温はそろそろ春を通り越して初夏に迫る勢いだ。すこし前まで木々は枯れ木同様だったのにすでに緑の葉に包まれている。 暑さに弱い自分はもう冬物はしまいこみ、来たる梅雨の時期を考えて戦々恐々とする日々。出かける際にはTシャツの上に軽くシャツを羽織るシーズンだが、なかなかぴったりのサイズが見つからないので服屋に行くのは好きではない。それでも最近、何店舗か巡ってようやく裄丈の長いものを見つけた。いっそのこと洋裁を学んで自分で作れるようになりたい。 さて、今までX100Fにフォーカスしていなかったのでいくつか自分が気に入っている点について書いてみよう。 X100Fもアップグレードの内容は今までと変わらず、主軸はその使い勝手の向上にある。 中でも嬉しいのはX-Pro2から採用されたフォーカスレバーの採用だ。正面から見ると一瞬モンブランのロゴマークを思わせるこのレバー、直感的にフォーカス位置を8方向へ自由自在に移動できることでオペレーションスピードの向上に寄与している。もうボタン操作に煩わされることがなくなったのは大きな改善だ。マクロ切り替えボタンの廃止もかなりありがたい。今までなら何か
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X100 series, the size and the weight
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X100 series, the size and the weight

X100系は括ってしまえばコンデジと呼ばれる範疇に入る。しかし昨今の基準を考えればそのサイズや重量はDSRLなどより「比較的」軽量コンパクトなだけで、ポケットに入れるのは多少無理があるしやはりずっしりとしている。単焦点レンズ固定式デジタルカメラと考えた方がしっくりくるだろう。ファインダーなどを含めてフル機能を持ったラインアップとしては現在、他にLeica QやSonyのRX-1RM2があり、そのなかでもっともコンパクトなものがX100シリーズ。見た目は知ってのとおり往年のレンジファインダー機を彷彿させるクラシックな佇まいだ。 X100Sを買って最初のころはちょっと重くて大きなカメラという印象だったが、使い込んで行くうちに必要最小限の大きさということに気付いた。道具には程よいサイズや重さというものがある。金槌や彫刻刀、テニスラケットやゴルフクラブなどといったものを小さくしてしまうと使い勝手が悪くなるのは想像に難くなく、おそらくカメラもそういった道具の一つ。両手で構え、ファインダーを覗き、構図を決める。露出を変える。シャッターボタンを押す。慣れていることも影響していて撮影時にはX
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The lens on X100 series
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The lens on X100 series

今までのX100シリーズではスペックよりも使い勝手の向上に力が注がれて来た。しかし、ユースケースを考えた場合に足りないものがまだ残っている。その一つはレンズに距離指標を付けること。距離指標はマニュアルフォーカスでリズムよく撮影するのに欠かせない機能だ。これは全くもって個人的な要望に過ぎないのだが期待して待っていたい。 さて、ここではX100シリーズを四代に渡り支えてきた23mmF2のレンズを振り返ってみる。 画角 レンズはシリーズいずれも単焦点固定式の23mmで、センサーはAPS-Cフォーマットでライカ判に換算すると35mm相当となる63°の画角だ。 この画角は風景からポートレイトに至るまで撮影しやすく万能であると言われており、実際かなりのシチュエーションをカバーできる。パースがつきすぎることもなく、場の雰囲気を壊してしまうこともない。旅に一本だけ単焦点レンズを持っていくのなら35mmというのは悪くない選択だ。 F-number X100シリーズのレンズは開放F値が2。登場の頃から3-StopのNDフィルターがビルトインされており、多くのシーンで開放をつか
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今 そこにあるカメラ、X100F
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今 そこにあるカメラ、X100F

手元にX100Fを迎えた。 欲しくて欲しくて手に入れた嬉しい気持ちというよりも、必要なものが納品された、もしくは手元にあったカメラが勝手にアップデートされたという感覚。X100Fを購入した理由はWantsよりもNeedsだ。 クラシックカメラ然とした姿、かさばらない大きさと重さ、アナログインターフェース、NDフィルター内蔵の23mm(換算35mm)単焦点固定式レンズ、OVFとEVFを併せ持つファインダー。フィルムの色調やトーンを生成するフィルムシミュレーション。それに静粛性が高くレリーズタイムラグが極めて短いリーフシャッター。これらは4代目のFが発売された今もずっと変わらない。 自分にとってX100シリーズはいつも鞄に入っているフル機能のカメラだ。 ファインダーを覗いて構図を決める。 絞り環を回して光の入り方を調節し、時間の止め方を優先する場合にはシャッタースピードダイヤルでその止め具合を指定する。 マニュアル露出を使わない場合は補正ダイヤルを回して露出を調整する。 シャッターボタンを押す。 これら基本的な操作に対してそれぞれに専用の、直感的で高品位
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